おばあちゃんたちの境地『野火』を読んで思ったこととか

スポンサーリンク

毎晩、寝る前には必ずスマホで電子書籍を読んでいます。

 

昨日読み終えたのは、大岡昇平の『野火』

 

こってこての戦争モノであります。

  


野火(のび) (新潮文庫)

 

ネタバレはしないので、大丈夫ですよ。

 

わたし、いわゆる「戦争モノ」を読んだり、観たりすると肩の力を抜くことができるのです。

 

こんなことを言うと、怒りたくなる人もいるかと思います。

 

が、ひとまずこちらの言い分も聞いてください。

 

 

 

というのも、命とか人生とかを大袈裟に捉えすぎている人間にとって、「戦争モノ」は緊張を緩和させてくれる一つの薬です。

 

世が世なら、人権なんてものはなく自分も虫けら*1のように……と考えると、楽になれます。

 

どんな期待を背負おうとも、不安が襲ってこようとも、死ぬときは死ぬのでしょう。

 

まあ、戦地で「猿」として死ぬのは嫌ですけどね(ちょっとネタバレ)。

 

せっかくなら、戦闘で死なせてくれ。

 

 

 

所詮ちっぽけな命なのですから、考えすぎずに生きていきたいです。

 

けど、実際には難しい。

 

命は尊いとか、人生は素晴らしいとか、煽りすぎじゃないですか? 世の中。

 

そのためには、ああすべきだ。こうあるべきだ。そんなんじゃダメだ。

 

そして、それらの忠告もすべてを解決することはできなくて、中途半端だったりする。

 

これって逆に、不安を煽っているようにしか思えないのですが。

 

 

 

生まれる→(食べる→仕事する→寝る)繰り返し→死ぬ、のが人生でしょ。

 

 (  )内をどう過ごそうと、人の勝手だし。

 

 

良い人生? 悪い人生? そんなん知らん。そんなん、あるかもわからん。

 

  

 

うちのベランダの向こうはすぐ山です。

 

もしや樹の陰にいる日本兵から銃口を向けられているのではないか、と勝手に警戒し始めた今日この頃。

 

サワサワ~と、降り始めた雨のように葉を鳴らす風の音に紛れて撃たれる自分の姿を、ついつい想像してしまいます。

 

そのあとは、別にどうとでもなれ。

 

 

 

私はこのブログを、近所のカフェで書いています。

 

「『好きなものが食えないんだったら、死んだほうがマシだっ!』っていって、あの人ほんとうに死んじゃったわねぇ……あははは」

 

と、店内で爆笑している年配のご婦人たち。

 

知り合いの死でこんなに笑えるって、大人だな。

 

彼女らにとって、もはや死とは「あるある」であるのだな。

 

おしまい。

 


野火改版 (新潮文庫) [ 大岡昇平 ]

*1:虫さん、ごめんなさいね。